小さな喜びを見つける

長沼さん　油彩 
大竹です。本日ご紹介させていただくのは長沼さんの油彩の作品です。 かたばみの花の小さく可愛らしい表情がよく現れていますね。長沼さんが描かれる油彩作品は、自身のエネルギーをぶつけたようなパワフルな画面が特徴でしたが、今回はその力を抑えて、花の可愛らしさや触れた時の柔らかさなどが感じられるようになっていますね。それでも、儚さよりも小さく生きる草花の逞しさをも感じさせるのは、やはり長沼さんの作品と言えるのでしょう。同じかたばみ同士でも、色合いや模様などはどれも全て違うものです。花びらの１枚１枚を妥協せずしっかり描き切っているので、小さいキャンパス上でもその存在感を放っています。また、背後の草の緑も、奥行きを出すためにあえて形をぼかして仕上げてあります。奥の草木の色も暗く落としてあることで、花の赤やピンクがより一層鮮やかに見えますし、草むらの中にひっそりと咲いている姿を見つけた時のような気持ちにもさせてくれますね。 長沼さんは同時に何枚も並行して作品を制作されているので、かなりハイペースに作品を完成させていっております。まだまだ作品のストックがありますので、これからも少しずつご紹介させて頂きたいと思いますので、お楽しみに！