小学生油絵紹介2

 

左から かほ(水彩画・1年)/はるみ(2年)/あやと(水彩画・1年)/れいき(2年)

大竹です。引き続き小学生油絵のご紹介をさせて頂きます。こちらも1〜2年生の作品です。緑系の作品でまとめてみました。作品についてと作者の普段の様子、性格等を交えてご紹介させて頂きますので、合わせてお楽しみ下さい。

かほ・・・パステルにはお喋り好きな女の子が多いですが、その中でも彼女はよく喋りよく人の話を聞いています。今回はキャンバスに水彩で描いていきました。フクロウの細かい体毛の色や、後ろの木々の葉っぱの色なども水彩で塗った後、更にクレヨンを使用してしつこくねちっこく追っていきました。元の写真は昼間に撮られたものでしたが、夜行性のフクロウらしく夜の空に塗りつぶしています。下地が赤なので、夜空やフクロウの黒と相性もよく、緑もより鮮やかに見えてきますね。
制作中は少し描き進める毎に「これでいい?次何どこやればいい?」と進め方に不安があるようですが、「塗り残しがある!ここのこの色が描けてない!もっと細かく!」とコチラのしつこい指摘にもにもめげずに取り組むタフさがありますので、堂々と自分が思うまま描いて行って欲しいと思います。

はるみ・・・普段はのほほんとした擬音が似合う穏やかな彼ですが、その性格が絵にも表れていますね。もう元となった写真も超良かったです。カラッと青い空と海にお父さんと一緒に向かっていく後ろ姿の写真だったのですが、光と陰のメリハリが綺麗に入っていたので、油絵でもそのあたりをしっかり描いています。日陰にはグレーに青を混ぜているので、隣り合う地面のイエローを引き立てより強い日差しを感じる事ができます。海の青色も微妙に色を変え、周りの緑にもクレヨンで色を足して密度を高めています。この日陰の道の先に横に広がる海と抜けるような青空が待っているのだと思うと、なんだか夏休みを前にした時のワクワクした気持ちになってきますね。もう大人の方は見るだけで幼い頃の夏の思い出が蘇ってくるのではないでしょうか?思わずホロリと泣けてきそうです。

あやと・・・コチラも水彩画の作品です。シンプルながら、虫の持つ工業製品のような規則正しい形、動物は持ち得ない青の体色の美しさが非常に引き立つ1枚となっていますね。エメラルドゴキブリバチという名前に相応しい光沢を持つ一方、ゴキブリを捕獲・脳に毒を送り込み、体の中に卵を産み付ける恐ろしい一面もあるそうです。図鑑の拡大コピーをよく観察し、丁寧に色を追って塗っていきます。絵の具の筆で描きにくい部分はクレヨンで加筆し、ハイライトもしっかりと入れています。足の形も虫の特徴の一つですので、特に気を使って描かれています。背景も下地の黄色をあえて残し緑のグラデーションで仕上げているので、何も描かれていなくても間延びせずに絵の具の表情を楽しめます。
よく周りの子と男女学年関係なく楽しそうにおしゃべりしています。喋っていても制作は進んでいるので、しっかりやる時と息抜きの加減が上手いですね。完成後、絵を持ち帰る際に壁に掛けてある自分の作品を見て「かっこいい…」とポソッと呟いていたのが印象的でした。

れいき・・・明るくおしゃべり好きで、体験に来た同年代の子とも直ぐに打ち解け、いつも楽しそうに制作しています。まだ2年生ですので、色や形に甘い部分はありますが、子猫がチョチョイとてんとう虫を追いかける愛らしい仕草がとてもよく描けているので、やれ形の狂いやリアルな質感などの大人の小賢しい指摘は全く要りません。その辺りは高学年になってからやればいいのです。背景の緑は同じ色でべったりと塗らず、少しずつ色を変えモザイクタイルのように絵の具を乗せているので、それらがまとまって作品全体に柔らかい印象を与えてくれています。顔のバランスは猫の可愛さを出す為にも重要な部分で、本人も何度も描いては直し描いては直していました。「上手くかけないけどまあいっか!」ではなく、納得いくまで折れずにしつこく取り組めるかは絵画以外の事でも大切になってくるので、ぜひれいきさんにはあらゆる部分でこだわりを貫いていって欲しいです。

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