小学生油絵紹介4
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左上 なゆ(2)/右上 かりん(4)/左下 水彩 ちはや(2)/右下 かれん(1) 大竹です。引き続き小学生の油絵をご紹介させて頂きます。 |
左上 なゆ・・・入会したての彼女ですが、非常に繊細な色使いをしています。本人も真面目にコツコツと制作を進めていくタイプです。その姿はまるで職人のよう。山々の緑も何度も色を重ね、少しぼんやりとした印象になってしまった所には黒を入れてキリッと引き締めています。しかし、雪の表現が素晴らしいですねー!単純な白ではなくグレーや青色も入っていて、塗り方もキャンバスの布目でかすれた部分もあったり、逆に厚く盛っている部分もあったりで、油絵らしさがとてもよく出ています。人や建物、動物といった主役になるモノがいない、素朴な風景ながらもこんなに良い味を出すなんて…まだ2年生なのが末恐ろしいです。沢山描かないで魅力的に仕上げるのは、実はかなり難しいのです。サインのオレンジも良いアクセントカラーになっていますね。実に味わい深い一枚です。
右上 かりん・・・制作中は色が汚く濁ってしまう事が多く、「そんな色じゃゲロだ!ヘドロだ!次ゲロ色にしたら許さん!!」と何度も色の作り直しを命じられても「え〜?へへっ、すいませ〜ん笑」とケロッとしておりました。その明るさとお調子の良さから、お喋りの輪の中心になる事も多く、特に後輩のちびっ子達に慕われています。最初は濁った色を置いていた為か、完成した綺麗な色の隙間からうっすら覗くその濁り色が、今は絵に深みを与えている様にも見えていきます。甘いキャラメルに相反するしょっぱい塩を入れる事で、より甘さが引き立つ塩キャラメルの様な効果になったのでしょうか…運のいい奴め笑。画面上下に濃い色を入れ、キツめのグラデーションを作る事で目を引きやすくなっています。主役のワンコ達も可愛らしいですね。顔は中々納得がいかなかった様で、何度も描き直していました。もういいんじゃない?可愛く掛けてるよ、といっても「まだ変だよ!直す!」と頑固で粘り強い一面もあるかりんさんでした。
左下 ちはや(水彩)・・・ちはやさんも黙々と職人の様に、しかしマイペースに制作を進めていました。このリスもそこはかとなくちはやさんに似ている様に思います。今回は水彩画でしたが、油絵に負けず劣らず色を重ねています。特にリスの背中の辺りの色合い、素晴らしいですね!黄色や茶色、オレンジなど様々な色が入り混じっています。お腹の方を黒やこげ茶で塗る事で、隣り合う背面の色がとても綺麗に見えてきます。さらにクレヨンでも細かい毛並みを描き込んでいるので、よりリスらしい質感になっていますね。可愛らしい!というよりも、なんだか貫禄のあるキリッとした印象を与えます。低学年は本物ソックリに描くというよりも、絵として魅力的になる様に指導しています。ちはやさんのリスも、参考写真と比べるとリスが少し縦長だったり色が違った部分もありますが、1枚の絵として見れば見るほど味わい深い魅力的な作品です。
右下 かれん・・・1年生ですとまだ真っ直ぐな線を引くのも難しい年齢ですが、講師が薄く下書きした線を懸命になぞり、ここまで描き上げました。可愛らしいモチーフとパステル調の色合いはウェイン・ティーボーの描くケーキを連想させます。お皿の見切れ方や、色の入れ方もおしゃれでデザイン的です。もちろん本人は意図せず偶然に出来たものでしょうがとても魅力的です。マグカップの模様など細かい部分は一部クレヨンでも描き込んでいます。あえて輪郭線をクレヨンでなぞり強調させる事で、偶然の形の面白さがより引き出されています。この絵がリビングにあったらステキでしょうねぇ…側に花なんかも飾りたくなっちゃいます。まだ1年生でしたので、スタミナを考慮して毎回少し早めに制作を切り上げていましたが、それがペース的にも丁度良かったみたいです。疲れたり、飽きてくると集中力が切れ色や筆使いがぐちゃっとなってしまう事がありますが、そんな事もなく綺麗でまとまった作品となりましたね。
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