空間と花
大竹です。今回ご紹介させて頂くのは大人クラスの永瀬さんの油彩作品です。
Mキャンバスを使用した縦長の構図が印象的ですね。上半分は大きく空けているので、奥まで広く続く空間を感じさせます。今回も下地のマチエールをしっかりと作っており、廃墟の壁の様な質感があり面白いですね。絵の具で凹凸を作り、さらに上から乾いた筆でこすりつける様に絵の具を塗る事で、凹凸の溝に絵の具が溜まり独特なマチエールが作られます。それにより何ない空間ながらも、どこか退廃的な雰囲気を纏っていますね。
俯いて座る女性の足元には、ぼんやりと発光しているかの様な花が散らばっています。この女性は裸足の様ですね。どことなく死者を感じさせる雰囲気も、そこからきているのでしょうか。画像からでは見えにくいですが、画面右側には細く枯れた木の枝が描かれています、地面の花たちはそこからこぼれ落ちたものなのでしょうか。女性にとって、その花たちはどういったものだったのでしょう。枯れる事なく美しいまま足元に散らばる花々を、拾うでもなく踏みつけるでもなく俯くかの様に見つめ、何か思案しているようです。
モチーフ1つ1つから色々な物語を想像できそうです。皆様はこの女性から何を感じられるのでしょうか?
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