小学生油彩2022!part1
りあな(1年/上段左から2枚目)・・・幼児クラスからパステルに通い、今年から小学生クラスデビューしました。初めての油絵ですが、慣れない絵の具にも臆さず積極的に制作に取り組んでいました。体の毛が真っ白い猫でしたが、白のベタ塗りにせずクリーム色や薄い青色を使い単調にならない様工夫しています。1年生ながら、持ってきた写真をよくみながら色を選んで描いていきました。暖かく柔らかい毛の感触が見る人に伝わってきますね。猫の顔もとても愛らしい表情で描けています。作者も愛され上手のおしゃべりさんなので、授業中も上の先輩に可愛がられています。絵も本人も周囲を明るく穏やかにしてくれるでしょう。
はる(1年/上段右から2枚目)・・・りあなさんと同じく幼児クラスからパステルに通い、その頃から大人も目を見張る観察力を見せていたはるさんの初の油彩作品です。「小学生に油絵なんて、早いんじゃないの?」と思っている大人もはるさんのこの絵を見れば閉口してしまう事でしょう。恐竜の化石の博物館の写真を見ながら制作しています。
骨の起伏による細かな色の変化を追い、その色を活かす為に背景は鮮やかな青色にしています。骨の形も良く描けており、顔を画面に大きく配置したので迫力も満点ですね。恐竜ではなく、恐竜の骨というチョイスにもセンスが光ります。これからもその目の良さを活かして技術を磨いていって欲しいと思います。
りず(2年/下段右)
前作も最後まで集中力を切らさずに描き切ったりずさんですが、今回は難しい夜景に挑戦していました。黒い空や海も単調にならない様に青や赤を入れて油彩らしい表情を作っています。花火に照らされた橋にも鮮やかな色を入れているので、夜空に浮かぶシルエットとしても美しいですね。メインとなる花火は油絵とクレヨンを使い力強く描かれています。色とりどりの花火は見る人に夏のワクワク感を思い起こさせるでしょう。やはり小学生の大胆な形と色彩にクレヨンはぴったりですね。水面の反射光にも同じくクレヨンを使用しています。これからも難しい題材にも臆さずチャレンジしていって欲しいと思います。
かれん(2年/上段右端)・・・自信が飼っているパグを描きました。白黒のパグと鮮やかな背景が対比となった賑やかな画面となっています。背景の黄色や青はそれぞれ5種類の絵の具を出して、色を混ぜながら塗っているので近くで見ても面白くなっていますね。まだ2年生ながら、言われた事をしっかりこなそうと一生懸命に取り組んでいました。一生懸命でしたが、あっけからんとしているのでそんなに苦労してそうに見えないのがまた彼女の魅力です。そんな作者の影響もあってか、パグのキョトンとした表情も可愛らしいですね。動物系の題材は作者の人柄がそのまま動物の表情に表れるので指導しているこちらも面白いです。
るい(2年/下段左)・・・見ていてとても気持ちの良い作品だと思います。夏休みの男の子の憧れが全てここに凝縮されていますね。主役のヘラクレスオオカブトには絵の具を惜しみなくたっぷりと使用し、背景は薄く仕上げることで絵の具の厚みで前後感を出しています。何よりもメインのカブトムシの光沢がかっこいいですねぇ〜。虫の魅力といえばその造形と光沢にありますので、その良さがバッチリ表現されています。虫かごの中ではなく、自然の中で伸び伸びとしている姿なのもまた良いですね。遊びたい巫山戯たい盛りの男の子ですが、制作中はしっかり作品に向き合い、休憩するときはしっかり休むのメリハリを自分で付けて取り組んでいました。そこはさすがお兄さんという感じがします。(幼児クラスに弟がいるのです)
まや(2年/上段左端)・・・とにかく口がマシンガンの様に動き、周りにまやくんうるさいー!と怒られても全然ヘッチャラな打たれ強い人です。その線や色使いも大胆かつ面白いもので、カメレオンの緑に床の赤が補色となって非常にインパクトのある画面になっています。カメレオンのウロコらしさを出すため、筆は走らせずに点描の様に絵の具を置いていく事を徹底しています。色も細かく変化させているので、とても魅力的な色彩になっているかと思います。顔の部分の立体感も素晴らしいですね。そしてどことなくまやさんに似ている様な気がします笑。綺麗な色ばかりではなく、あえて濁った色も入り混じっている事により黄緑の鮮やかな色がより映えていますね。恐らく色を変える時に洗わずにそのまま使っていったのでしょう。油彩はそのテキトーさが絵の面白さに繋がってきたりするので面白い画材だと思います。(ちなみに几帳面な人は水彩が向いています)
毎回私が欲しいわ!と思ってしまう魅力的な作品が子供達の手によって生まれています。子供の内にしか描けない大胆で力強い色彩と形を、どうぞ楽しんでいって頂けたらと思います!
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