小学生油絵2022!part6
大竹です。今回は縦構図の油彩4枚を左から順にご紹介させていただきます。
まゆ(6年)川辺で遊ぶ弟を描いた1枚。さすが姉弟と言うべきか、笑顔がまゆさんそっくりに描けています。制作中は水辺の色にもこだわり、「本物っぽく塗るにはどうしたらいいの?先生ちょっとお手本描いてよ!」とグイグイ来ていました。笑 背景の殆どが無彩色の岩ですが、その中で明暗を細かく追っているので物足りなさは感じられません。ただの岩を、無彩色でこれだけ魅力的に表現できるのですから、絵画制作で現実のものわざわざ描く事の意味を改めて気付かせてくれます。水の色も川の深い緑色で表現されており、大人顔負けの描写力ですね。上着の色も真っ黒だったので形を捉えるのに苦労していました。ほんのり青を混ぜた黒にして、髪の毛とはまた違った黒にしている工夫も良いですね。
中学生になれば技術も観察力もグッとアップしていくと思いますので、是非これからも描き続けていって欲しいと思います。
かえで(5年)油彩は絵の具を塗るというよりも置いていくというやり方を忠実に守って制作していっていました。そのお陰で、光の粒が集まったかのような色合いになりましたね。絵の具は混色すると濁っていってしまいますが、点描画のように色を混ぜずに点で重ねていく事で、離れて見たときに濁らずに混色しているように感じられます。スーラやシニャックの点描画を思い起こさせます。グレーの地面の上にポツポツと置かれたイエローも綺麗ですね。空は木に覆われて殆ど見えませんが、よく晴れた日の太陽の暖かさを感じます。周りが緑の木に覆われていることで、補色の関係にある鳥居の赤色がより一層鮮やかに見えてきますね。その鳥居の中に神社が収まっている構図もまた良いですね。鳥居は神域と人間の世界を分ける入り口とも言われますので、神の領域を除いているかの様です。
作品からも学ぶ事への楽しさや知識への貪欲さを感じます。スポンジの様に吸収力がありますので、色々なものに触れて自身の生きる力にしていって欲しいと思います。
さあや(6年)可愛らしいレッサーパンダの作者、さあやさんはゆうりさんのお姉さんです。ペロッと舌を出している表情がまた愛らしいですね。作者自身がモチーフに対して魅力を感じたポイントがよく描けていると思います。背景の葉っぱは光を透過しキラキラと輝いていますね、緑の色のバリエーションを豊かに描いています。それに対してレッサーパンダは絵の具をドッシリと乗せておりますので、絵の具の厚みの差で前後感も出ています。黒い毛の部分がやや単調になってしまいましたが、主役となる顔が可愛く描けているのでOKでしょう。木の方も色合いをよく観察して描かれていますね。茶色に緑や黒を混ぜ、こげ茶の様な少し鈍い色にしてリアルにしています。
他の習い事の方が忙しくなり、残念ながら退会となりましたが、もしまた絵画制作や工作がやりたくなったらいつでも遊びにきて下さいね。
はるや(4年)犬に顔に特にこだわって描かれており、丸一日顔だけを塗って終わった事もありました。使用したパレットは顔に使った色で埋め尽くされており、どれも同じ色はないというほど細かなバリエーションに富んでいました。それだけ観察し、色を作っていったのですから迫力がありますね!毛並みも1本1本筆跡を残しながら描いていったので、毛量の多いふわふわした触り心地が伝わります。本人が意図して塗ったかは分かりませんが、主役の顔周りは鮮やかな色を使い、奥の体(おしりのほう)は少し鈍い色を使っているお陰で遠近感が上手く演出されていますね。
犬だけをドンと大きく配置するのではなく、あえて上半分は背景の花を入れている構図もおしゃれですね。黄土色の犬に緑の葉っぱ、薄ピンクの花と色のバランスも上手く取れています。
色を見て作る力がありますので、モチーフを選ぶときは色の変化に富んだものが相性が良いと思います。次回作も楽しみにしております。
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