小学生油絵2022!part7
大竹です。今回の4枚は全員6年生のものです。左から順にご紹介させて頂きます。
そら(6年)大きな滝の勢いや凄まじい水量を感じさせる迫力ある1枚です。ほぼ真っ白だったので下に水が落ちている様に見せるのは難しかったと思いますが、よくここまで描ききったと思います。周りの崖も細かな色の変化をしつこく追いかけ、非常に魅力的な画面になっています。ごつごつとした岩肌の質感もしっかり感じられますね。上の方に少しだけ空が見えている構図もバランスが良く、あそこまで埋まってしまうと画面が息苦しくなっていたでしょう。滝周りには薄くしろを重ねたことで水しぶきによる霧がかかっている様子もうまく表現出来ています。油絵期間が終わった後も、2週間ほど延長して加筆しましたがその分存在感のある仕上がりとなりました。ぱっと見で綺麗で風景ではなく、崖と滝というチョイスも中々渋いですね。
同じ作業が続いても文句も言わず黙々と取り組み続けられる忍耐力がありますので(恐らく、本人は忍耐とも思ってなさそう…)いつか1つの作品をじっくり取り組んでみて欲しいと思っております。
ことみ(6年)元は風景のみでしたが、主役に欠けるので自分の写真を持ってきてもらい合成して制作しました。ピースポーズも記念写真の様に見えて丁度良く、配置も良い場所に出来ましたね。マスク姿からコロナ禍の時勢が現れています。
奥の木々の緑と池の緑をうまく作り分けて塗られていますね。水面は筆を平行に動かし平たく見える様に・奥の森は点描の様に筆を置くことで葉っぱが密集している様に見せています。奥の家も陰影を細かく追い、手を抜かずに描かれていますね。人物を描くのに苦労していましたが、洋服の模様からメガネの細かい部分までしっかりと描き上げる事が出来ています。
引越しにより残念ながら今年で退会となりましたが、気が向いたらいつでも遊びに来てね!
ななみ(6年)元の写真は室内(ペットショップ?)のワンちゃんでしたが、色合いがイマイチでしたので外に連れ出しました。犬のふかふかの毛並みを筆跡と絵の具の厚みによって表現しています。お腹の方は少し毛が薄くてピンク色の肌が覗いているのも可愛らしいですね。キョトンとした顔もぬいぐるみの様な愛らしさです。
足元の影の色の作り方もうまいですね。無彩色の影はいかにも絵の具の色、という風に見えてしまう為中々難しいのですが、青を入れて薄く塗り重ねる事で自然な影の色になっています。背景の草や花は主役の犬が埋もれない様、控えめな色合いでまとめられていまね。その中でも緑の中に黄色を入れたりして単調にならない様に変化を付けています。
琴美さんの紹介文でも書きましたが、七海さんもいつでも遊びに来てね、待ってまーす!
りんか(6年)輝く日の出が鳥居の向こう側に見える神秘的な1枚です。夕焼けのグラデーションを出すため、毎回黙々と色を重ねて描いていました。暖色の緋色から寒色のエメラルドグリーンへの移り変わりが美しく作れていますね。色を混ぜるというより、色の粒を沢山重ねてグラデーションにした事で、混色による色の濁りのない美しい発色を保っています。まるで鉱石の輝きの様ですね。光を受けた雲の陰影も良く観察出来ており、立体感を感じる事が出来ます。逆光となっている鳥居や地面は真っ黒にせず、青〜紺色でまとめられているのも良いですね、単調にならない様工夫されています。観ていて背筋がキリリと伸びるような、神聖で透き通った1枚だと思います。
自身の制作物へのこだわりと粘り強さを持っていますので、今後も妥協する事なく楽しみながら制作を続けていって欲しいですね。
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