明るい予感

 

柳谷 アクリル

大竹です。今回ご紹介させて頂くのは、柳谷さんのアクリル画です。娘さんをモデルに、銀杏並木の風景を描かれています。
身内、しかも女性・娘となりますと”そっくりに、かつキレイに!”とお父様のプレッシャーもあったかと思います。特に顔の方は何ヶ月もかけて修正を繰り返し、納得がいくまで調整し続けていました。振り返る顔は正面の顔と比べ傾いているので、バランスを取るのも難しかったかと思います。その甲斐あって、ご家族にもとても喜んで頂けたそうです。こちらに振り向くポーズは浮世絵の”見返り美人画”を連想させますね。
不透明・半透明のアクリル絵具を使い分けて制作されていました。水彩よりも隠蔽力が強く、油絵よりも乾燥が早いので修正が容易な部分もアクリル絵具の特徴ですね。
色彩豊かなイチョウの背景に、娘さんの無彩色の服の対比で主役がイチョウの吹雪にも埋もれずに目立てていますね。このイチョウ吹雪も、作者が制作当初から描きたいとイメージされていたものだそうです。現在はちょうど桜が散ってゆく時期ですが、秋の黄色い落葉もまた華やかで美しいですね。
イチョウ、空、人物が明るい色で作られている分、地面の暗い焦げ茶が入る事で画面全体が引き締まっていますね。明るい部分をより明るく見せたい場合、暗い部分を作って対比させる事でも効果的に色を見せることができます。茶系の色にする事で黄色とも馴染んでいますね。良い色の選択だと思います。

奥へと続く銀杏並木の道は、主役の人物の明るい未来を予感させます。そう考えると、イチョウたちもまたそれを祝福しているかのように見えてきますね。モデルとなった方も、この作品を見るたびきっと明るく前向きな気持ちになれるでしょう。

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