小学生の油絵2023 ~1年生編その1~


 左から えま ゆう かすみ しおり そうすけ (全て1年生)


大竹です。毎年夏休み恒例の油彩カリキュラムですが、先月ようやく最後まで制作していた子が完成いたしましたので、これよりご紹介させて頂きます。

まずは一年生。初めての油彩ながら、やる気はどの学年にも負けません。エネルギーに溢れた線や色使いは、大人になると失われてしまう何かが表れている様にも感じられます。大人になると形や色の正しさに追われていきますが、子供たちの作品は己が見たまま、感じたままの形で作られているのでしょう。


えまさん  妹との2ショット写真を参考に描いていきました。人物という難しい題材ながら最後まで投げ出さずに描き切っています。スーラ顔負けの美しい点描による色使いがなんとも魅力的。お揃いの帽子と後ろのひまわり畑から、夏の強い日差しまで感じられますね。光を受けたひまわりの花びらが眩しいです。背景にふんだんに使われている緑も、実に多彩で瑞々しく生きるエネルギーに満ちているかのようです。作者自身の周囲の環境、それに対する感受性が表れているようです。


ゆうさん  背景の渋い色使いの中に、虫本体の明るい色合いが浮かび上がってくるドラマチックな作品です。元の写真では、虫にピントを合わせて背景(おそらく森)はボケていたので、真っ黒にならない様あえて黒の絵の具はチューブから出さずに描いていきました。有彩色のみで暗い色を作るため、様々な色を混植して制作しています。
虫の体の、まるで輝いているようにも見える描写は、昆虫の光沢ある身体をよく表現していると思います。特に黄色く輝く羽が格好いい!細かい部分は油彩では難しいので、仕上げはクレヨンで描いていますが、そのクレヨンの強い色と線もまたモチーフとマッチして力強い印象を与えてくれますね。


かすみさん  花火を背景に笑顔でピースの自分自身を描いています。そのまま夏祭りや花火大会のポスターにも使用できそうな味わい深い作品です。暗い色が全て同じ色にならない様、青や赤、茶色や緑といった様々な色を混ぜ合わせながら塗っていっているので、暗い画面ながら色彩豊かな1枚となりました。花火の軌道も、一本の線ではなく点描で色をのせていったので、光のきらめきさえも感じられるようです。カラフルな打ち上げ花火は見ているこちら側も楽しい気持ちにさせてくれますね。


しおりさん  ユニコーンをモチーフに描いています。アメリカのアニメなどで、幼い女の子が好きなものとしてユニコーンが描写されるシーンを多々見かけますが、ユニコーンに惹かれる子供達の心に国は関係ないようです。白く輝く体を表現するため、白以外の色もふんだんに使い描いています。架空の生き物と風景でしたので中々難しいモチーフでしたが、躍動感を神秘性のある1枚となりました。夜空や草木の色合いも美しく、モザイクタイルの様にも見えてきますね。


そうすけさん  ヘラクレスオオカブトを今回は水彩とクレヨンでキャンバスに描きました。黒いボディが映えるよう、赤いアクリル絵の具で下地を作っています。まだ一年生ですので、塗りが甘くその赤が見えている部分がありますが、それが返って良い味を出していますね。黒々とした立派な角は迫力があり、作者のエネルギーを分けて貰っているかのようです。背景の自然も生き生きとした力に満ちているように見えませんか?今回は水彩画での制作でしたが、油彩にも負けないパワーを持っていると思います。


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