小学生油絵2023〜4・5年生編〜
左上から なゆ4年 たかのぶ4年
左下から ゆうか5年 ゆうし5年
大竹です。今回ご紹介させて頂く油絵は4〜5年生のものです。高学年となると形や色使いだけでなく、選ぶ題材も変わっていくように思います。
なゆ・・・同じ緑色はないといえるほど、沢山の色を作り葉を塗り分けており、その中で鮮やかなピンクの蓮がより引き立っています。仏教ではこの花の上には神様がお座りになりますが、密やかに咲くこの蓮にもどこか神聖な雰囲気が漂います。奥にはこれから咲くであろう蕾が控えており、未来への可能性・希望を暗示しているようにも思います。作者も毎回黙々と制作に取り組んでおり、制作の姿勢が作品のクオリティにそのまま表れているのでしょう。素晴らしい1枚です。
たかのぶ・・・箱根の彫刻の森美術館にある、嘆きの天使の前で妹とツーショット。哀愁を帯びた嘆きの天使は、旅行を楽しむ兄妹につられてか暖かく微笑んでいるようにも思えます。いつも穏やかでのほほんとしているたかのぶさんですが、幼児クラスから見ている限り彼の怒った姿を見たことがありません。最近は少し背伸びしたがりになってきた妹ちゃんに「お兄ちゃん、ちゃんと話いてた?!」「お兄ちゃん、それ全然違うよ!何やってるの!」と少々厳しく当たられても「ごめんね〜」とのほほんと受け流しています。見ているこっちが「少しは言い返してもいいんじゃない…?」と言ってしまいたくなるほど。そんな穏やかな作者の人柄が反映された作品ではないでしょうか。
ゆうか・・・蓮の花に続き、こちらは睡蓮を描いています。暗い水面に睡蓮が映され、静寂と緊迫感のある画面となっています(普段はおふざけ・お喋りが大好きな作者からは想像が出来ないほど…)。内にはこんな世界を秘めていたのかと驚かされました。光を透かす花びらの風合いや、水面に映る姿も細やかに描写されています。背景の黒と花びらのピンクの対比も美しく、目に見えない神様が今まさに降り立っている様にも思えます。油絵では扱いの難しい黒を魅力的に描ける様になれば1人前!しかもシンプルな画面は誤魔化しも効かないのでもっと難しい。さすが5年生と言わざるを得ませんね。
ゆうし・・・ロープウェイと山岳を描いています。爽やかな青い空に山の鮮やかな緑が広がる美しい光景ですね。下地に赤色を使用した為、薄っすらと赤が透けている部分が見られ色に奥行きが与えられています。雲の部分などは分かりやすいかと思います。とても若々しさといいますか、見ていて元気が出てくる様な瑞々しさが感じられます。このロープウェイはぐんぐんと頂上に向け上がっていくのでしょう、作者のこれからの未来を暗示しているかの様ですね。昨年の油絵もそうだったけど、雄大な自然に惹かれるのは彼の心の中の豊かさが反映されている様にも思います。
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