暗い空に浮かぶシルエット

永瀬 油彩


大竹です。本日ご紹介させて頂くのは、永瀬さんの油彩作品です。佐賀県にある唐津湾のブルーアワーを描かれています。この画面の左側には唐津城が建っているそうで、お城ではなくあえて無人島(左側が鳥島・右側が高島・真ん中奥にうっすら見える平たい島が神集島というそうです)の方へ目を向けているところが永瀬さんらしいチョイスですね。無人島と左の灯りが点いている有人の家屋も対比されているのでしょうか。
暗い空の奥はぼんやりと明るく、無人島のシルエットを浮かび上がらせています。暗い空は幾重にも色を重ねて濃さを出しているので、黒に近い色ながら青や緑といった色彩を感じさせます。海の方にはうっすら紫を入れたことで、空とはまた違った色の魅力がありますね。暗い風景は、いかに暗い部分に魅力を作れるかがポイントとなっていきます。下地作りから色作りを楽しんで作られている永瀬さんの、偶然と計画性が絶妙なバランスで作品を彩っているようです。
ご自身の印象に残った光景を出力して描かれているので、作者が見て感じた風景を、作品を通じてそのまま感じ取ることができます。下地に砂のマチエール材を混ぜ込んであるので、それらがノイズの粒子の様にも見えてきますね。昔の写真の様にも思えるのは、このマチエールの効果なのでしょう。永瀬さんの画題とも相性の良い材料ですね。

次の作品ではどんな風景を見せてくれるのでしょうか。楽しみにしております。










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