尾瀬を歩く

平井 アクリル 大竹です。今回ご紹介させて頂くのは、平井さんのアクリル画です。木製パネルにアクリル絵の具で直接、尾瀬の風景を描いています。尾瀬の広大な山地湿原は、福島・群馬・新潟の3県にもまたがるそうで、日本百景にも選定されています。 秋の穏やかな日差しと、駆け抜ける涼しげな風が画面からも伝わってくるようですね。目に見えない日差しを表現する為には、光と陰が重要となってきます。平井さんの作品では、橋に落ちる光と影が見事に表現されています。眺めていると、心地よい日差しの中を歩いている時の温度や匂いが思い起こされるようです。 葉っぱの細かな点描は筆先を細かく先割れさせて塗り、地面の草木や橋の木目はドライブラシで表現しています。巧みな筆使いにより、それぞれの質感を描いています。周りの草木も黄色やオレンジ、青といった様々な色を取り入れ、色彩豊かに表現されています。普段なら特に気に留めないような草木でも、制作者を通じて描かれたものはとても魅力的に見えてきますね。 橋を歩く2人の白と赤の服も、画面の中で良いアクセントになっていますね。サラッと描かれている様に見えますが、人が歩いている自然なポーズも、実はかなり難易度が高いもの。人の仕草をよく観察し、描いているのでしょう。 穏やかな光景は作者の人柄が表れているかのよう。お散歩に出かけたくなるような1枚です。