80年の蓄積

長沼 油彩


大竹です。今回ご紹介させて頂くのは、長沼さんの油彩作品です。この不思議なトンネルの様な場所は、北海道稚内市の稚内港にある北防波堤ドームです。樺太航路を高波から守るために1931年から5年かけて建築されたそうで、設計者は当時26歳の若者だったとか。高さは役14メートル、長さは427メートルもあるそうです。70本にも及ぶ柱が並ぶ姿は圧巻です。
滑らかに削られた天井には、80年の月日の経過を感じさせる為に幾重にも絵の具を塗り重ねられています。床や柱も同じ様に、古きものの深みを出すために様々な色を作り、試行錯誤しながら絵の具を置かれていきました。岩や建物などのずっしりとした重みを出すには、やはり影をしっかりと濃く入れ、明暗差をつける事が重要となってきます。長沼さんの絵では、天井や柱の明暗が縞模様の様に続いており、模様的に観ても面白いですね!
奥の空はシンプルに青空にしたお陰で、北海道の広大な大地と空を感じさせてくれます。中で犬の散歩をさせているのは地元の人なのでしょう。涼しげな格好から、季節は夏であることも読み取れますね。人が居る事で、その建物の大きさもより実感を持って感じる事ができ、かつてはこの小さな人間が、この大きなドームを作ったのだと改めて感心させられますね。

この不思議な光景も、日本にあるのだと思うと感慨深いですね。GWが明けたばかりですが、北海道へ実物を行きたくなってしまいますね!




















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