赤ら顔のオヤジたち

柳谷 アクリル 大竹です。今回ご紹介させて頂くのは、柳谷さんのアクリル作品です。居酒屋で撮った知人のお写真を元に制作されています。大きなサイズで製作されていましたので、半年はかかっていたでしょうか。納得のいくまで何度も何度も塗り重ね、アクリル絵の具ながら油絵の様な重みになっていました。 仲良く肩を組んでカメラにピースしている姿がなんともお茶目で微笑ましいですね。居酒屋で撮られているだけあり、二人とお酒がすすんだお顔になっていますね。笑 この酔いが回った赤い肌の色の表現に特に苦労されていました。その人の生きた年月の重みを感じさせるシワや頬の膨らみをよく観察して描いていますね。しかし、そこにくたびれた印象はなく、まだまだ気力も体力も漲っている、エネルギー溢れる人たちの内面が溢れている様に思います。柳谷さんがこのお二人の事をよく知っているからこそ描けるものなのでしょう。 洋服も、背景に合うように色や模様をアレンジして描かれています。服の素材によって皺や影の入り方も変わってきますので(薄いシャツは細かく影が出来やすく、厚手の布はシワの間隔が広くなるなど)それらもしっかりかき分けていく必要があります。右の方の、緑の服の影を単純に濃い緑にするのではないく、背景のオレンジを入れて変化をつけると共に、全体を馴染ませています。 これだけの時間と熱意を持って描いてくれる友人を持つ人は、この世界で一体どれだけいるのでしょうか? 実はこれでもまだ、ご本人的には納得いってないそう。アクリルはいくらでも加筆が出来てしまうので、やめ時が見つからず永遠に描いてしまうので一旦辞めます、との事でした。今はやめ時を見極める必要のある水彩画に戻り、風景画に挑戦されています。様々な題材に挑戦される柳谷さんの次回作もどうぞお楽しみに!