夏、外へ行こう!

長沼 油彩

 大竹です。今回ご紹介させて頂くのは、長沼さんの油彩作品です。こちらは長野県の上高地にある河童橋を描かれています。もしかしたら夏休みに行かれた方もいるのではないでしょうか?
気持ちの良い青空に底が透ける美しい川、まだ白い雪が残る山の前を横切る河童橋。縦構図で描く事で空間を大きく捉え、見る人を風景の中へ引き込みます。河童橋は描くのに苦労されたそうですが、妥協せず描き切った事で周りの雄大な自然に負ける事なく主役として画面を引き締めてくれています。川底も油絵の特性を生かし、オイルで薄く解いた絵の具を少しずつ重ねて塗っていきました。瓦の石は、最初は城壁の様にぴっちりと綺麗に並んでしまっていたのを、自然に転がった石になるよう形をランダムにしたり、重なりを作っています。(自然物を規則正しく描きすぎてしまう方は少なくなく、そういった方は普段の生活での整理整頓がお上手な方なんだろうなぁと、大雑把な私は思ったりしてしまいます…笑)川に落ちる濃い影は夏の強い日差しを感じさせてくれます。山々の緑も美しいですね。普段目にする木々も、よく見てみると様々な色合いを持っている事が分かります。こちらも、暗い部分は思い切って濃い影を入れて葉っぱの塊感を出していますね。
こうしてブログ掲載用の小さいサイズで見ると、実物を近くで見ていた時とはまた違った見え方がしますね。細部が見えなくなってしまいますが、画面全体を捉えやすくなります。手前の川から奥に吸い込まれ、後ろの山々に目がいく視線誘導の流れも分かりやすいですね。

非常に活力のある、見た人を外に連れ出してくれそうな1枚です。「外にはこんなに綺麗で楽しくて魅力的な場所があるんだから、元気な時に外へ行きなさい!」と、絵が訴えている様です。インドア派の私も、眺めているうちになんだか外へ背中を押されている気持ちになってきましたよ!

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