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9月, 2025の投稿を表示しています

記憶を纏う絵画

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  永瀬 油彩+布・刺繍糸 大竹です。今回ご紹介させていただくのは、永瀬さんのコラージュ作品です。キャンバスの上に油彩と布・刺繍糸が組み合わさっています。 画面にまず強く印象を与えるのは、鮮烈な赤の背景。その中央に描かれる人物のまなざしは静かでありながら、周囲を彩る断片的な布地や糸と呼応し、複雑な感情の揺らぎを漂わせています。使用されている布や刺繍糸は、永瀬さんのかつてのお気に入りの洋服の一部であり、絵の素材であると同時に、かけがえのない個人的な記憶そのものでもあります。 絵画という虚構の世界に、思い出を宿した実際の「モノ」が貼り込まれることで、画面には二重のリアリティが立ち現れます。描かれた人物の表情が誰かを思わせるようでありながらも、布地が持つ物質感によって、個人的な日常や時間の経過が呼び起こされるのです。それはまた、毎年増えていく服に囲まれながらクローゼットをのぞいたときに感じる「過ぎ去った時間への愛着」と「積み重ねられていく日々」の感覚にも重なります。 背景の赤は、そのような断片的な記憶や素材を一つの世界に収める役割を果たし、画面に力強い統一感を与えています。絵画と現実、記憶と現在とを交差させ、見る者に「自分自身の思い出」を呼び覚まさせる魅力を放っているかの様です。

赤と緑のコントラスト

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タイチ アクリル絵の具 大竹です。今回ご紹介させて頂くのは、学生クラスのタイチの作品です。小学生クラスから在籍し、現在中学二年生。 日本を代表する名建築・平等院鳳凰堂を題材に、鮮やかな色彩で描き出しています。十円玉にも刻まれている馴染み深い建物ですが、赤い柱や梁が周囲の豊かな緑と対比され、より一層際立って見えます。自然の緑を背景に、朱色が生き生きと浮かび上がる構図は、観る者に強い印象を与えます。 特に注目したいのは、池の水面に映る鳳凰堂の描写。波立つ水面に揺らぐ姿は、実像とは異なる不思議な美しさを放ち、建築の荘厳さをさらに引き立てています。上部の建物の明快な描線と、下部の水面に広がるにじみやゆらぎとの対比が、画面にリズムを与えています。 もちろん、建物の遠近や細部のバランスなど、まだまだデッサンに未熟な部分は見られます。しかし、それ以上に「見えるものを懸命に捉えよう」というまっすぐな姿勢が伝わってきます。色を重ね、形を探りながら、紙の家にイメージを移そうとする気概が、この作品全体を力強く支えています。 鮮やかな赤と緑のコントラスト、水面に宿るもうひとつの鳳凰堂。その大胆な表現と真摯な取り組みが、中学二年生という若い作家ならではの魅力を放つ作品に仕上がっています。  

それぞれの日常を

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長沼 油彩 大竹です。今回ご紹介させて頂くのは、長沼さんの油彩作品です。 浅草の居酒屋の一場面が、実に温かな眼差しで切り取られています。画面に常連が集う古き良き居酒屋の空気が漂い、赤ちょうちんや色褪せた看板、油で黒ずんだ外壁や庇の質感にまで、時間の積み重ねが感じられますね。華やかすぎず、むしろ少し煤けた色合いでまとめられている点が、街場の居酒屋特有の「油で汚れた生活感」を生き生きと伝えています。 また、そこにいる人々は表情を描き込まれていないにもかかわらず、椅子に腰かける姿勢やグラスを掲げる仕草、談笑の身振りなどから、それぞれの感情や会話の気配が伝わってきます。お客さんたちの「今日はここで一息つこう」という安らぎや、店員さんの手際よい立ち働きが、絵全体に小気味よいリズムを生み出しています。視線を移すたびに、一人ひとりの物語が立ち上がるような豊かさが魅力的ですね。 さらに、画面手前を横切る野良猫の存在が作品にユーモアと遊び心を与えています。人間の営みと並行して街の生き物たちもまた日常を紡いでいることを、さりげなく示しているようです。居酒屋という舞台に猫が加わることで、画面がふっと和み、観る者に微笑みを誘う効果を発揮しています。 全体として、筆致の緩急のつけ方が巧みで、背景や建物の重厚な質感と、人々や小物に宿る軽やかな躍動感が響き合っています。単なる風景描写にとどまらず、下町に流れる時間や人々のぬくもり、そして生活の匂いまで描き込まれた作品といえるでしょう。  

アトリエパステル 休校のお知らせ(9月8日・月曜日)

平素よりアトリエパステルにご愛顧いただき、誠にありがとうございます。 このたび、私事で大変恐縮ではございますが、母方の祖母が永眠し、葬儀のため、 9 月 8 日(月)を休校とさせていただくこととなりました。 皆さまには急なお知らせとなり、ご迷惑をおかけいたしますことを心よりお詫び申し上げます。 あわせて、来週の 9 月 15 日(月)は祝日のため休校となります。結果として 2 週続けてのお休みとなり、大変申し訳ございません。 なお、休校となりました分のお月謝につきましては、日割りにて計算し、来月分のお月謝より割引させていただきます。 また、 9 月で退会予定の方につきましては返金にて対応させていただきます。 上記の内容と同様のメールを月曜日クラスの生徒さんへお送りしています。ご確認頂けましたら、お手数ですがご返信いただけますと幸いです。ご返信がなかった方には、念のためお電話にてご連絡させていただきます。 皆さまには重ねてご迷惑をおかけいたしますが、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。