緑とメリハリ
長沼 油彩 大竹です。本日ご紹介させて頂くのは長沼さんの油彩画です。引きの構図とアップの構図の作品をそれぞれ並べてみました。こうして見てみると、どちらも緑や影の色の作り方で同じ作者の作品だというのが直ぐに分かりますね。 右の作品の木の幹、枝のうねる様な形も不思議でとても面白いです。長沼さん的には、写真の木の形そのままを描こうとしたのでしょうが、写真で見たときよりもより面白く感じられると思います。そして木の種類、場所、光の当たり方によって緑の色を細かく変化させているので、緑が多い画面の中で色彩が豊かに見えてきます。緑色だけに注目して改めて両作品を見てみて下さい。一体どれだけの色が作られているのでしょう。長沼さんの緑はいつも活力に満ち満ちているようです。 また前回の作品と同じく、光と陰の表現への意識も作品に表れています。特に右の作品は、手前と奥の石垣は全く違う色で描かれているのが分かります。手前は暖色でより前に、奥は寒色で(この寒色も凄く良いです!上手い!)より奥にあるように見え、この色の差は画面のメリハリにもなっています。光と影を表現する際はこのメリハリが重要になってきます。しかし、左の作品はそこまで強く明暗さはありません。これは全体のバランスを見たときに、地面のメリハリを強くしてしまうと、メインである姫路城や大きく広がる空を邪魔してしまうからなのでしょう。その分、空間感を出すために、姫路城は少し霞む様に空の青色を上から薄くかけています。手前にしっかりと絵の具が乗っているので、絵の具の厚みによっても前後感を演出されています。長年の技術と経験が光りますね! P.S. 長沼様へ 先日の二ヶ領の最新作、サインを入れられる前の写真を撮っておりました…お手数ですが、サイン入りの完成写真をお手すきの際にメールで送って頂けますと幸いです…是非ブログに掲載させて下さい!m( - - )m。 |
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