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1月, 2022の投稿を表示しています

内面の表れ

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永瀬 油彩  大竹です。今回ご紹介させて頂くのは大人クラスの永瀬さんの作品です。 人の血肉、臓器を思わせる様な赤色の背景とは対照的に、女性の肌は青白く、洋服も無地のものでその人の性格、人格を感じさせません。その生々しさと生気の薄さの対比が面白く、見る人を内に引き込む様な引力を持っています。物思いにふける女性のその思想が背景に表れているのでしょうか、無表情ながらもどこか怒りを含んでいるも見えてきますね。 それぞれの色は何度も試行錯誤を繰り返し、幾重の重ねられた絵の具によって、アンティークのように長い年月が経過していることを感じさせます。特に手や指は感情を繊細に表現する重要なモチーフの一つですので、形の修正は念入りに行っておりました。服の生地の乾いた質感、厚みの表現も見事です。よく見ると赤や黄色、紺といった様々な色が使われているのが分かりますが、それらをまとめて見た時に我々の目は「白い服だ」と認識できるのですから不思議ですね。

ふしぎな夢の光景のよう

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長沼さん 油彩  大竹です。今回ご紹介させて頂くのは、大人クラスの長沼さんの油彩作品です。 まず見た人が強烈に印象に残るのはその色でしょう。鹿の赤と森の緑が補色効果でより鮮やかに見えてきます。また手前は暗く、奥を鮮やかで明るい色合いにした事で、奥行きと共にこの森の神秘性なども感じられます。ストライプの様な森の木々の表皮の表現も味わい深いですねぇ〜…木によって微妙に色や表情が違うので、作品を見るたびに発見がありそうです。3頭の鹿達の陰影の入れ方も魅力的です。漲る生命力を感じさせる赤色と、体の流れを表した筆のタッチが見事にマッチしています。その3頭の並んだ鹿の後ろにはも鹿が森を駆けているのが見えますが、これらは3頭の鹿、というよりも左から右へと駆けていく1頭の鹿の軌跡にも感じられ、絵の中で時間の流れがあるようで面白いですね!足元の草木は、表現に悩んだ末にアンリ・ルソーの『夢』から引用しています。赤い鹿たちや、ほんのり発光しているかのような森、残像が連なる鹿の姿など、どこか夢の様な不思議な雰囲気を持つこの作品にはぴったりですね。

鳥獣戯画

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  大竹です。現在、小学生が取り組んでいるカリキュラム”鳥獣戯画”の巻物が教室の壁に貼ってあるので、幼児クラスでもそれらを鑑賞・模写をしていきました。どんな動物がいるかな?何をしているところかな?これはなんの動物かな?鑑賞の後は色画用紙にクレヨンで相撲を取るうさぎとカエルを描いていきます。1筆1筆を講師とともに一発書きで描いていきましたが、なかなか良い味が出ていますね! しかし、800年前の人たちは、今の様に鉛筆も消しゴムもない中で、44メートルにも及ぶ長さの絵を筆で描きあげてしまうのですから凄いですね…

絵の中を探せ!

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 アトリエパステル 小学生クラスの最初の授業は鳥獣戯画の鑑賞&模写を行いました。全長44メートルの中から一部をコピー、教室の壁に貼りだしました。その中から、絵の一部をコピーしたカードを渡し、同じ絵がどこにあるのかを探すゲームをしました。この絵、どこにもない!似てるけど違うかも?その絵向こうで見たよ!といった声が飛び交い、皆ウォーリーを探すかの様に隅々まで鳥獣戯画を見ていきました。 一通り探し終わったら、気に入ったカードを1枚選んで模写をしていきます。今回は筆ペンを使用し、線が太くなりすぎない様にしました。模写した絵はミニ巻物にしていく予定ですので、お楽しみに!

本日より始業いたします。

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  明けましておめでとうございます。本日よりアトリエパステルは始業致します。当教室での制作を通じ、皆様の良い1年を共に作り上げていけたら嬉しいです。今年もどうぞ宜しくお願い致します。 上記は年賀状制作の際の版の元となったものです。今年も消しゴムはんこを2つ使用し、線の版と色の版を分けて制作しました。今回、元の絵はデジタルで制作し、ハガキサイズに印刷して消しゴムに転写しています。 一休さんに出てくる屏風の虎をテーマに、描かれた虎が本当に出てきて一休の度肝を抜かすような、見た人の心を動かすような作品を制作をしていけるように。又熱意や愛情、こだわり、あるいは悔しさといった心を燃料にした制作は、誰もが縄で縛られる事なく自由であって欲しいという願いを込めています。 私自身、版画はまだまだ勉強・練習中で拙いものですが、年始に皆様の元で話題の1つにもなって頂けたら幸いです。 *また、年賀状がお届けされていない場合、申込書に記載されている住所がお引越し等で異なっている場合がございます。もしお手元に届いておりませんでしたら、お手数ですがご連絡頂けましたら幸いです。