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4月, 2024の投稿を表示しています

ポチャンと落ちる

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  学生クラス 中1〜2 大竹です。学生クラスには4月から新中1が加わり、以前よりも賑やかになっております。最初の授業では、慣れるのも兼ねて小学生クラスの内容を先取りしました。無色透明な水を水彩絵の具を使って表現する描き方を学びました。上からポチャンと落ちてきた雫が水面に波紋を作っています。透明感を出すには、ベースに薄い色を入れ、形の際に濃い色をピリッと入れるのがコツ。青色だけでなく、暖色系の色も差し入れて豊かな画面にしています。この中に1枚講師の見本が混ざっていますが、パッと見どれなのかわからないほどよく描けていますね。 次回はこれをさらに応用し、動きのある水をテーマにした水彩がも制作していきます。1人1人違った仕上がりになるかと思いますので、お楽しみに!

幼児クラスの木版リトグラフ

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大竹です。幼児クラスの木版リトグラフ制作が終わりましたので、印刷の様子をご紹介させて頂きます。 印刷前にもう一度線を油性のマーカーでなぞり、濡らした付近で余分なアラビアゴムを拭き取ります。かなりゴシゴシ擦らないといけないので、子供達には力を振り絞って貰いました。 板にたっぷり水を塗り、いよいよローラーでインクを着けていきます。こちらもローラーを押し込む様に力を込めなければいけないので、二人羽織でインクを塗りつけていきました。版画初体験の子も多く、ここからどうなくかワクワクドキドキです。 紙に版を置いたら、これまた力一杯バレンでこすります。力を込めすぎで、いくつかのバレンが破壊されてしまうほど。子供達の秘めたるパワーにはいつも驚かされますが、バレンがないので足踏みに変更。バレンがわりに足で板をこすり印刷していく姿はまるでダンスしているかのよう…。 そしてゆーっくり紙から版を剥がせば…バッチリ印刷されています!プレス機が無くともこの印刷力!3週間に渡る大制作でした。ちなみに今回の絵のテーマは「オリジナルの生き物」色々な要素を組み合わせたキメラのような生き物たちが勢ぞろいしました。意外と力作業の連続で子供も講師もヘトヘトでしたが、また来年も挑戦したいですね!  

暗い空に浮かぶシルエット

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永瀬 油彩 大竹です。本日ご紹介させて頂くのは、永瀬さんの油彩作品です。佐賀県にある唐津湾のブルーアワーを描かれています。この画面の左側には唐津城が建っているそうで、お城ではなくあえて無人島(左側が鳥島・右側が高島・真ん中奥にうっすら見える平たい島が神集島というそうです)の方へ目を向けているところが永瀬さんらしいチョイスですね。無人島と左の灯りが点いている有人の家屋も対比されているのでしょうか。 暗い空の奥はぼんやりと明るく、無人島のシルエットを浮かび上がらせています。暗い空は幾重にも色を重ねて濃さを出しているので、黒に近い色ながら青や緑といった色彩を感じさせます。海の方にはうっすら紫を入れたことで、空とはまた違った色の魅力がありますね。暗い風景は、いかに暗い部分に魅力を作れるかがポイントとなっていきます。下地作りから色作りを楽しんで作られている永瀬さんの、偶然と計画性が絶妙なバランスで作品を彩っているようです。 ご自身の印象に残った光景を出力して描かれているので、作者が見て感じた風景を、作品を通じてそのまま感じ取ることができます。下地に砂のマチエール材を混ぜ込んであるので、それらがノイズの粒子の様にも見えてきますね。昔の写真の様にも思えるのは、このマチエールの効果なのでしょう。永瀬さんの画題とも相性の良い材料ですね。 次の作品ではどんな風景を見せてくれるのでしょうか。楽しみにしております。