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5月, 2022の投稿を表示しています

3年越しの新作です

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 大竹です。今回ご紹介させていただくのは、大人クラスの永瀬さんの油彩作品です。永瀬さんにはもう成人された息子さんが3人いらっしゃるそうですが、その次男さんの幼い頃のお写真を元に制作されました。(3年前は 長男さん を描かれています。こちらの紹介文も面白いので是非ご一読下さい) お子さんを抱きかかえる永瀬さんの手と、その上に添えられた赤ちゃんの小さな手が何とも微笑ましい一枚です。きっとこの小さな掌も、今では永瀬さんよりも大きくなっているのでしょう。 3年前の長男さんとの作品と比較しますと、より複雑なポーズに取り組まれており、画面全体の色味もうまくコントロールされています。特に肌の色味は何度も何度もやり直し、一番時間をかけられていました。人の肌は単純なペールオレンジという訳にはいかず、血液が透けて赤かったり、青かったり緑だったりと様々な色を含んでいます。難しい色の一つですが、繰り返し修正を重ねる事で、理想とする色に近づけていったのでしょう。背景はグレーを基調とし、青や黄緑を織り交ぜながらまとめられています。幸せそうに笑う親子を囲むのは暖かな色合いではなく、しかしコンクリートのような無機質の冷たさでもない、その中間のような印象を受けます。作者の母子像への考えが現れているのでしょうか。 いずれは三男さんも描いて三兄弟シリーズにする予定だそうです。どのような作品になっていくのか、今からとても楽しみですね!

お孫さんの1枚

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大竹です。今回ご紹介させていただくのは、チケット制で通われている浅賀さんの作品です。 お孫さんの写真を見ながら鉛筆で制作されました。この年齢が一番手がかかり、可愛い盛りの時期ですね。作者のお孫さんに対する愛情の眼差しを、作品を通じて見る側の人が感じられます。。お兄ちゃんの笑った口から覗く小さな子供の歯や、弟君の元気に遊びまわってくしゃくしゃになったのであろう頭髪がまた愛おしいですね。顔の輪郭や目・眉の形は特に気を使って修正と加筆を繰り返していきました。笑った時の頬の筋肉の膨らみや、ストローで啜った時の唇の動きもよく捉えられていますね。写真ももちろん良いですが、やはり一度作者の気持ちを込めて描かれた絵は、たとえそっくりそのまま描写できずとも、それ以上の何かを見る人に与えてくれるように思います。 この作品に着手される前は、人物の写真や解剖学の本の模写練習を沢山こなしていました。ですので、今回が初作品ですね!練習の成果も発揮された、大切にして頂きたい1枚だと思います。

あと少し…!

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 大竹です。小学生クラスにて先月より取り組んでおります日本画ですが、大分仕上がってきました。下書きをカーボン紙で転写したのち、墨で線をなぞっていき(骨描き)、花びらには胡粉を塗っています。下地の土の黄土色がいい感じに響いています!金箔も貼っていく予定ですが、今からワクワクしております。 油彩と違い、色を沢山重ねるのではなく、絵の具の色をそのまま活かす様な塗り方で仕上げています。岩絵の具は乾くと塗った時よりも色が薄くなるので、その性質にも気をつけねばなりません。慣れない絵の具ですが、みなさんすごく良い感じになってきています。完成をお楽しみに!

日常の愛おしさ

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長沼 油彩   大竹です。今回ご紹介させて頂くのは長沼さんの油彩作品です。こちらは元住吉から新川崎へ向かう途中にある、三菱鉱業の工場を描いています。 ジムへ行く際の通り道だそうですが、作者の日常の景色に対する愛情が伝わってきます。毎日同じ景色が当たり前に存在する事の愛おしさのようなものでしょうか。連日のニュースでウクライナの破壊された街並みを見ると、よりそういった気持ちになってきます。 錆や汚れといった質感と油絵はやはり相性がいいですね。ペインティングオイルで絵の具を薄めに溶いて、半透明の色セロハンを重ねるように塗っていく事で、サビや油が染み出した汚れを表現しています。メインとなる工場の描写も魅力的ですが、手前から奥へと明るくなっていく道路や向こうからやってくるトラックも良いですね。人通りもない静かな道に、トラックが通り過ぎていく音だけが聞こえる情景が頭の中で再生されます。晴れた空ではなく、少し重い雲に覆われているのもまた味わい深いですね。雲には所々にオレンジや黄色といった色が加えられています。地面や植木に使われている色を少し入れる事で、画面全体に統一感が出ていますね。 こうした絵画を見たり描いたりしていると、日常で目にする建物や風景に「ここって絵のモチーフにしたら素敵かも?」「この風景、あの作家の作品に似ているな」といったふうに、見る目が変わってきたりします。見慣れたものの新たな一面を発見する様で楽しいですね!

イカと宇宙旅行

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大竹です。久しぶりのブログ更新となりました。 幼児クラスでは、ゴールデンウィーク前に作ったイカの着彩をしたのち、お絵かきでは宇宙飛行士になった自分を描きました! イカ塗りは水彩絵の具を全色チューブから出して並べ、自由に塗っていきました。原色そのままに塗っていく子もいれば、混色をしてオリジナルの色で塗っていく子もおり、それぞれが全く違う雰囲気のイカに仕上がりました。ころんとした目玉が可愛らしいですね。 宇宙のお絵かきでは、まず宇宙についての話をしました。重力がないのでふわふわ浮いてしまう事、空気がないので宇宙服を着て酸素のボンベを背負っている事など…宇宙に思いを馳せたのち、グレーのクレヨンを使って白い宇宙服やヘルメットをつけた自分を描いていきました。いつもは立ってたり走ってたりするポーズを描いていますが、今回の舞台は無重力空間なので泳いでいる様なポーズにしてみました。 その後は黒い画用紙を2枚使って宇宙を描いていきます。地球や太陽、月に土星といった様々な星を描いたり、ロケットやUFOなど様々なものがひしめき合う賑やかな宇宙が誕生していきました!並べると大きな1つの宇宙のようで楽しいですね。