投稿

6月, 2022の投稿を表示しています

車シリーズ第4弾

イメージ
              透明水彩 コウタロウ(中3)    大竹です。今回ご紹介させて頂くのは、学生クラスのコウタロウさんの作品です。中学一年の頃より車をテーマに描き続けている彼ですが(これまでのは こちら から)、 枚数を重ねていく毎に上達していっているのが分かりますね。本人もこの出来栄えには満足なようで、完成後も自身の作品を眺め「今までで一番カッコよく描けた…」と惚れ惚れしていました。 これまではやり直しが利くアクリルや油彩絵の具で制作してきましたが、今回は透明水彩(+仕上げに色鉛筆)に挑戦しました。透明水彩の発色の良さに、ボディの反射や写り込みのグラデーションがマッチしましたね。明暗のメリハリがこの作品の大きな魅力でしょう。背景はやや抑えめに仕上げ、主役の車が引き立つようにしています。最後は色鉛筆で細かな光沢や輪郭を整えて完成させました。 次回も車を描いていく予定です。今回の作品でモチベーションも高まったようで、次作も期待できますね!

小学生日本画その3

イメージ
大竹です。小学生日本画ご報告ラスト、土曜クラスの作品です。土曜クラスは他のクラスに比べ、1~3年生が多い低学年クラスとなっていますが、どれも大人が思わず目を見張ってしまう出来栄えです。あまりの出来栄えに、私も友人や恩師にジマンしてまわってしまったほどです…笑 きっと、自宅に持ち帰り同じように絶賛された事でしょう。 どの花も伸び伸びと画面いっぱいに花を咲かせており、色の使い方も大胆にのせる子もいれば繊細に色のグラデーションを追っている子もおり、この画像だけで美術館に来たかのような気持ちになりますね。 6月の制作のパフェ作りも終わり、来月からはいよいよ油絵制作です。楽しみにしてくれている子も多いようで、油絵科出身の私としては嬉しいです。夏休みをお楽しみに!  

小学生日本画その2

イメージ
大竹です。先週に続き、月曜日小学生クラスの日本画をご紹介させて頂きます。 日本画は油絵と比べると、絵の具を混ぜてベタベタ塗り重ねるのではなく、線や形、岩絵具が持つ色そのものを活かす必要があります。下書きを墨でなぞっていく骨描きでは、失敗しても消したり塗りつぶしたり出来ない一発勝負。息を止めて一本一本線を入れていきました。 百合の花の色は当初全員赤〜ピンクを予定していましたが、思いの外白や黄色を希望する子も多く、結果バリエーションに富んだものになりました。こうして並べて見てみると、作者の性格がよく表れているなあと笑顔になります。皆さんも、作品からどんな子が描いていたのか想像して見て下さい。  

パインパワー!

イメージ
大竹です。まだ6月の始めだというのに、この暑さには参ってしまいますね。そんな中、幼児クラスでは爽やかにパイナップルの絵を描きました! カットされていないパイナップルを見るのは初めてという子もいる中、まずは本物を触ったり持ち上げたり匂いを嗅いだりしました。じっくり観察してみると、黄緑色っぽい皮にはオレンジ、白、黄土色といった様々な色が混じっています。色紙にパイナップルから見つけた色をクレヨンで塗っていきます。トゲトゲした葉っぱの部分もしっかりと入れ、しおれたトゲトゲも描いたら完成です。非常にパワフルかつエネルギッシュなパイナップルになりました。見ているだけで元気がもらえそうですね!  

小学生日本画ご報告

イメージ
  大竹です。2ヶ月かけての日本画の制作が終わりました。いかがでしょうか?こちらは金曜小学生クラスの作品です。泥絵の具を下地として、百合の花を描いていきましたがどれも素晴らしい出来栄えです。初めての画材に戸惑いつつも、それぞれが「ここはもっと薄く塗りたい」「ピンクよりも白色で仕上げたい!」といったこだわりを持って制作していく姿が印象的なクラスでした。 下地の泥絵の具には自分たちで作った泥、日本の砂、イタリアの砂がブレンドされています。塗りムラもまた味わい深く、絵の具そのものの質感を楽しめる作品となったのではないでしょうか。金箔も貼って豪華仕様です!是非おうちに飾って自慢しちゃってください笑

先の先の先まで

イメージ
 長沼さん 油彩 大竹です。今回ご紹介させて頂くのは、長沼さんの油彩作品です。 群馬県の碓氷トンネルを描かれています。トンネルの中から外への大胆な構図に一目で鑑賞者を中へと引き込みます。 長年の汚れと湿気で汚れている筈のトンネルの中も、こうして絵になるとそれもまた魅力となるのが絵画の面白い所だと思います。外の光を受けたタイルは宝石の様にも見えますね。上部には赤や青、薄桃といった色が入れられているのも、作者のこだわりや遊び心の様なものを感じますね。手前にタイルの描写を集中させ過密に描いた分、奥の風景は控えめに描かれています。地面を真っ黒に塗ることで、トンネル上部や外の明るさもより際立ちますね。油彩の中で黒の扱いは難しいもので、そのまま使ってしまうと強すぎて浮いてしまったり、他の色を殺してしまったりします。純粋な黒のまま使うのではなく、青や緑といった隣り合う色を混ぜることで緩和したり、逆に強い黒によって明るい部分を引き立てる事もやっているのでしょう。様々な工夫と計画によって作られた1枚となっています。 暗いトンネルの先に明るい出口が見える、というのは困難から抜け出す暗喩の様にも思えますが、長沼さんの作品には出口の先にまたトンネル、その出口の先にもまたまたトンネルが見えてきます。行先の課題を見据えつつ、その解決策も既に講じてあるのでしょうか。 画面の中で独りトンネルを歩く人物は間も無く出口に辿り着きます。この人はどの様な思いで先に更に続くトンネルに向かっているのでしょう?不安よりも期待・希望といった明るい予感を見る人に与えるのは、やはり出口の先まで明るく見通せているからなのでしょうか。(受験に向けて準備を始める悩み多き学生達には、恐らく描けない絵だと思います…笑 しかし悩み多き人にこそ魅力的かつ希望に満ちた絵にも見えそうです。)