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12月, 2022の投稿を表示しています

小学生油絵2022!ラストです

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大竹です。今年最後のブログは、小学生クラスの最後の油彩紹介で〆させて頂きたいと思います。今回は5年生と6年生の油彩です。高学年となり、中学生も目前となった子供たちの作品をお楽しみ下さい。  ここね(上左/6年)手前から奥へグンと引き込まれる構図となっています。左右対象の構図は安定しすぎてつまらなくなる傾向にありますが、ここねの作品は道の先にある鳥居を強く印象付ける意味を持たせられています。空、草木、石階段と言った自然物は様々な色を入り混ぜた反面、左右の灯籠や鳥居は色をシンプルに仕上げて対比させているので、画面の中で朱色がより引き立っていますね。草木も緑だけではなく、茶色などの濁った色を入れているのもまた面白いですね。2ヶ月では終わらず、9月まで制作していましたがそれだけ時間をかけて制作した甲斐がありました。しかし、見れば見るほど絵の中の世界にのめり込みそうになりますね…こうしたモチーフに惹かれるのもまた高学年らしく思います。来年は中学生になりますが、どんなものに惹かれるのかが楽しみにですね。好き嫌いがはっきりしているタイプですので、より自分の好みに敏感でいて欲しいと思います。 かんな(上真ん中/6年)カラッと晴れた青空と海が気持ちのいい1枚です。空は筆の跡を残さないグラデーションで作られているのに対し、海は筆跡を残して波の揺らぎが表現されています。に手前の船の描写もよく観察し描ききっています。大人の絵の中に混ぜても小学生の絵だと分からないのではないでしょうか?形の取り方も上手いですが、色の選択も大人びています。日差しの強い風景の中で、陽光を受けたいるであろう船や雲の白がとても眩しく感じます。青、白、黄土色の中で船の朱色がアクセントとして入っているのもバランスがよく、またお洒落に見えますね。 雲は下に溜まっている分上部は抜ける様に青空が広がっており、その開放感がこの船たちのこれからの航海が明るいものと予感させてくれます。彼女の未来を暗示してくれているかの様ですね。 きぬこ(上右/5年)まだ子供なのでしょうか、小柄な馬が柵の中にいる風景です。体毛の微妙な変化をとらえながら、筆をポンポンと置くように絵具を塗る事で短い毛を表現しています。体の線の細かい凹凸もよく観察して描かれていますね、素晴らしいです!少しぽやんとした馬の表情も可愛らしく、見ていて癒されますね。地面...

小学生油絵2022!part7

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大竹です。今回の4枚は全員6年生のものです。左から順にご紹介させて頂きます。  そら(6年)大きな滝の勢いや凄まじい水量を感じさせる迫力ある1枚です。ほぼ真っ白だったので下に水が落ちている様に見せるのは難しかったと思いますが、よくここまで描ききったと思います。周りの崖も細かな色の変化をしつこく追いかけ、非常に魅力的な画面になっています。ごつごつとした岩肌の質感もしっかり感じられますね。上の方に少しだけ空が見えている構図もバランスが良く、あそこまで埋まってしまうと画面が息苦しくなっていたでしょう。滝周りには薄くしろを重ねたことで水しぶきによる霧がかかっている様子もうまく表現出来ています。油絵期間が終わった後も、2週間ほど延長して加筆しましたがその分存在感のある仕上がりとなりました。ぱっと見で綺麗で風景ではなく、崖と滝というチョイスも中々渋いですね。 同じ作業が続いても文句も言わず黙々と取り組み続けられる忍耐力がありますので(恐らく、本人は忍耐とも思ってなさそう…)いつか1つの作品をじっくり取り組んでみて欲しいと思っております。 ことみ(6年)元は風景のみでしたが、主役に欠けるので自分の写真を持ってきてもらい合成して制作しました。ピースポーズも記念写真の様に見えて丁度良く、配置も良い場所に出来ましたね。マスク姿からコロナ禍の時勢が現れています。 奥の木々の緑と池の緑をうまく作り分けて塗られていますね。水面は筆を平行に動かし平たく見える様に・奥の森は点描の様に筆を置くことで葉っぱが密集している様に見せています。奥の家も陰影を細かく追い、手を抜かずに描かれていますね。人物を描くのに苦労していましたが、洋服の模様からメガネの細かい部分までしっかりと描き上げる事が出来ています。 引越しにより残念ながら今年で退会となりましたが、気が向いたらいつでも遊びに来てね! ななみ(6年)元の写真は室内(ペットショップ?)のワンちゃんでしたが、色合いがイマイチでしたので外に連れ出しました。犬のふかふかの毛並みを筆跡と絵の具の厚みによって表現しています。お腹の方は少し毛が薄くてピンク色の肌が覗いているのも可愛らしいですね。キョトンとした顔もぬいぐるみの様な愛らしさです。 足元の影の色の作り方もうまいですね。無彩色の影はいかにも絵の具の色、という風に見えてしまう為中々難しいのですが、青を...

ふわふわの毛並み

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松本 透明水彩 大竹です。今回ご紹介させて頂くのは、大人クラスの松本さんの水彩作品です。 カレンダーのポメラニアンを見ながら制作していきました。透明水彩に初挑戦との事ですが、水彩への勘が良くそれらを感じさせない出来栄えとなりましたね。ふわふわもこもこの毛並みは、手を伸ばしたら指が埋もれていきそうな感触まで感じさせてくれます。透明水彩はその名の通り塗り重ねると下の色が透けて見えてきますので、色を重ねて深みを出していく事が可能です。毛並みの中にも、緑や黄土色、黄色やオレンジなど様々な色が透けて見えており、ふわふわの質感と共に立体感もしっかり出されていますね。透明水彩の白は隠蔽力が弱いので、最後は不透明水彩やアクリル絵の具の白を使って胸毛や口元などに細かく白い毛を加筆していきました。ボールの様な体躯の下からちょこんと生えている前足も可愛らしいですね。 主役のポメを引き立たせる為、周りの自然物はあまり描き込みすぎないように工夫されています。また、奥の葉っぱなどは透明水彩を薄くサラッと乗せることで遠近感を出しています。秋らしい暖色系の色合いでまとめられた豊かな1枚となりました。

小学生油絵2022!part6

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大竹です。今回は縦構図の油彩4枚を左から順にご紹介させていただきます。   まゆ(6年)川辺で遊ぶ弟を描いた1枚。さすが姉弟と言うべきか、笑顔がまゆさんそっくりに描けています。制作中は水辺の色にもこだわり、「本物っぽく塗るにはどうしたらいいの?先生ちょっとお手本描いてよ!」とグイグイ来ていました。笑 背景の殆どが無彩色の岩ですが、その中で明暗を細かく追っているので物足りなさは感じられません。ただの岩を、無彩色でこれだけ魅力的に表現できるのですから、絵画制作で現実のものわざわざ描く事の意味を改めて気付かせてくれます。水の色も川の深い緑色で表現されており、大人顔負けの描写力ですね。上着の色も真っ黒だったので形を捉えるのに苦労していました。ほんのり青を混ぜた黒にして、髪の毛とはまた違った黒にしている工夫も良いですね。 中学生になれば技術も観察力もグッとアップしていくと思いますので、是非これからも描き続けていって欲しいと思います。 かえで(5年)油彩は絵の具を塗るというよりも置いていくというやり方を忠実に守って制作していっていました。そのお陰で、光の粒が集まったかのような色合いになりましたね。絵の具は混色すると濁っていってしまいますが、点描画のように色を混ぜずに点で重ねていく事で、離れて見たときに濁らずに混色しているように感じられます。スーラやシニャックの点描画を思い起こさせます。グレーの地面の上にポツポツと置かれたイエローも綺麗ですね。空は木に覆われて殆ど見えませんが、よく晴れた日の太陽の暖かさを感じます。周りが緑の木に覆われていることで、補色の関係にある鳥居の赤色がより一層鮮やかに見えてきますね。その鳥居の中に神社が収まっている構図もまた良いですね。鳥居は神域と人間の世界を分ける入り口とも言われますので、神の領域を除いているかの様です。 作品からも学ぶ事への楽しさや知識への貪欲さを感じます。スポンジの様に吸収力がありますので、色々なものに触れて自身の生きる力にしていって欲しいと思います。 さあや(6年)可愛らしいレッサーパンダの作者、さあやさんはゆうりさんのお姉さんです。ペロッと舌を出している表情がまた愛らしいですね。作者自身がモチーフに対して魅力を感じたポイントがよく描けていると思います。背景の葉っぱは光を透過しキラキラと輝いていますね、緑の色のバリエーション...

豆の木で遠近感を

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大竹です。幼児クラスのお絵かきでは、ジャックの豆の木とラクダを描いていきました。 授業の始めにジャックと豆の木の物語を読み、ジャックが豆の木を登っているところを描いていきます。今回は遠近感を練習する為、豆の木は下の方は小さく、上にいくにつれ太く大きくなるように描いていきました。葉っぱや豆も上は大きく、下の方は小さく描いています。 豆の木にしがみついている様子が上手に描けていますね!こうして並べると上下で繋がっている様にも見えてきて面白いですね。 私も改めてジャックと豆の木の物語を知りましたが、一人で勝手に知らない場所(特に危険な高いところなど)へ行ってはいけない、という教訓の話なのでしょうか? 10分お絵かきの方ではラクダを描いていきました。ラクダは背中のコブに脂肪を溜め込み、水や食料が得られない時は脂肪を分解してエネルギーとしています。「脂肪はみんなのお尻に沢山入っているよ、柔らかいでしょ?ラクダのコブも柔らかいんだよ」といった話をしたので、みんな自分のお尻を触ってラクダのコブの触感に思いを馳せていました。笑 コブはひとコブラクダとふたコブラクダ、さらにみっつのコブのラクダ(調べたら3つコブのラクダはいないそう…)を描いていきました。 ちなみにラクダはサボテンを食べますが、トゲが刺さらないよう口の中はトゲでいっぱいです。画像で調べてみるとちょっと怖いのですが、あのチクチクしたサボテンを食べなくてはならないと思うと、いかに砂漠が過酷な環境であるかが分かりますね…。