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2月, 2022の投稿を表示しています

不思議な空模様

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  長沼 油彩 大竹です。今回ご紹介させて頂くのは、長沼さんの油彩作品です。横浜にあるミントブルーのドアとピンクの壁が可愛らしいお店をメインに描かれています。このお店の外観、上の方には燭台のようなものもあって面白いですね!面白いモチーフとして捉える長沼さんのアンテナ、流石ですね。通行人のワンピースの赤もまたアクセントとなり、全体が柔らかい色合いでまとめられている画面をほどよく引き締めてくれています。奥にいくにつれ淡く色をぼかし、より奥行きを感じさせる描写も見事ですね。何より、空に青を置くのではなく、白つるばみ色を置くという発想がとても面白いです。時間帯の曖昧さや、砂っぽさといいますか、ほんのり漂う南国っぽさがなんとも魅力的な作品です。 また、手前の影は当初はないものでしたが、全体の散漫な印象を壊す為、今回思い切って大きく入れました。ある程度完成形が見えてくると、大きく画面を崩すような変更は躊躇われるものですが、制作に行き詰まった時には必要になる勇気ですね。

あま〜い画面

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柳谷 油彩 大竹です。今回ご紹介させて頂くのは、大人クラスの柳谷さんの油彩作品です。モチーフはメロンパンとシナモンロールのなんとも美味しそうでハイカロリーな組み合わせです。メロンパンのクッキー生地の乾いた質感と、シナモンロールのクリームたっぷりの表面を厚く持った油彩で表現しています。類似色の絵の具を、塗るのではなく置くようにして乗せていくことで、油絵らしい表現とボリュームのある画面となっています。どろっとしたクリームの表現も、水彩では表せない油絵ならではのマチエールですね。ナイフで絵の具をべったりとのせて作られるでこぼこした質感や色の重なりは、いくらでも眺めていられる魅力がありますね〜。 メインのモチーフにたっぷりと絵の具を使った分、背景はさらっと仕上げています。下に敷いてある紙も、本物の紙を実際にしわくちゃにたものを観察しながら描いています。頭の中にある想像だけで描いてしまうと、どうしても思い込みで描くことになってしまいがちです。しっかりと本物を観察し、思い込みを捨てる事が上達の上では重要になってくるでしょう。 糖質制限中の私としては、なんとも誘惑的な作品でした笑 甘いものが欲しくなってきますねぇ…  

左右対称

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  ナツキ(高2) 油彩 今回ご紹介させて頂くのは、学生クラスの油彩作品です。現在、ポートフォリオ制作の為に週2で通っているナツキさんですが、油彩の風景画には初チャレンジでした。 朝焼けのオレンジをバックにしている富士山は、左右対称構図が許されるモチーフでもあります。本来はど真ん中の左右対称構図は動きがなく、つまらないものとされますが、富士山と教会の宗教画はそれらが許されます。動きがない、というのは安定感がある、という事にも繋がりますので、富士山のどっしりと構えた姿や、人々の心の安定の為の宗教画には必要なものだったりします。 さて、彼女の作品に戻りますが、空の色は薄っぺらにならないように幾重にも色を塗り重ねています。微妙に変化する空の色合いは、べったり塗った油彩の上に、オイルで溶かした半透明の絵の具を乗せていく事で深みを出しています。その甲斐あって、移り変わるグラデーションが美しいですね。 黄色く輝く部分も乾いては塗り、乾いては塗りを繰り返し、鮮やかな色を作り出していきました。富士山の方も、暗い中に逆光の明るい色を思い切って入れる事でメリハリを作り、主役らしい存在感を演出しています。暗い色の中も単純にならないよう、様々な色を含ませながら作られています。鮮やかな空と、影になっている富士山とその麓との対比が印象的な1枚となりました。 油彩やデッサン、現在は平面構成に取り組んでおり、バリエーション豊かなポートフォリオになりそうですね。頑張ってください!

なんの塔?

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幼児クラスでは、久しぶりに粘土工作を行いました。テーマは岡本太郎の太陽の塔!実はこちらも2月の小学生カリキュラムで行う予定であり、一足先に幼児クラスでもミニサイズで取り組んでみました。10分お絵かきの方でどんな塔にするか色や模様を考え、そこから粘土をこねていきます。表面はペンのふたやスポンジ、紐といった色々な素材をスタンプし、不思議な模様を作っていきました。同じ素材でも、押し付ける向きにとって模様が変わるので、色々な方向からペタペタ押して試していきました。ペットボトルのふたや髪の毛のブラシなど、身近なものからなんじゃこりゃ!?変な模様ができた!!という驚きもあり色々な発見がありました。 次回は絵の具で着彩していきますので、歓声をお楽しみに!  

鳥獣戯画の巻物

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小学生クラスの1月のカリキュラム、鳥獣戯画の巻物を一挙公開いたします。 今回は筆ペンを使い、鳥獣戯画の好きな1コマを模写し、巻物にしていきました。ただ真似するのではなく、どの線が太くて、どの線は細く掠れているのかもしっかりと観察し、細かく合わせていきます。単純に見えて、実は線の強弱によって生き生きとした動きや立体感が表現されているのです。 巻物の芯になる木は、選んだ和紙の色に合わせて色を塗り替えています。和紙には金色のマスキングテープで縁取りし、紐もつけているので豪華に見えますね! 今回はミニサイズで制作しましたが、もっと大きく、なが〜い巻物を作ってみても面白そうです。本物の鳥獣戯画は合わせて44メールもあり、今回制作した全ての巻物を足しても全然届かない位ですので、その凄さがわかりますね…。今回の制作で、日本の国宝にも面白いものがあるんだなぁと思ってもらえたら嬉しいです。  

学生デッサン

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左:マホ(高3)             右:ナツキ(高2) 現在学生クラスではデッサンに取り組む生徒が多く、日々モチーフとにらめっこしながら制作しています。左の手のデッサンは、桑沢の入学前課題のために取り組みました。まだ手のひらから手首につながるまでの描写が甘かった李、黒が強く固そうな印象もありますが、自分が持てる精一杯の力を出そうとしている姿勢が伝わってきます。より枚数を重ねていく事で、更なる発見と上達が見込めるでしょう。 右のナツキさんは美術系への進学ではありませんが、特待生のための自己アピールとしてポートフォリオを制作しています。このデッサンも、ポートフォリオに入れるために時間をかけてじっくりと制作しました。何よりもブロックの形に苦戦し、紙のエンボスが削れるほどに描き直しました。こちらもまだ形の狂いはありますが、ブロックの重さ、布のシワを追おうとする気概が感じられます。難しいモチーフが上手く描けなくても腐らず、今自分が持てる技術の限界を出していく事が重要ですね。

梅の巻きもの

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  幼児クラスでは梅の花の巻物作りを行いました!木の芯に和柄の紙を巻き、紐を通して巻物にします。梅の花は和紙に筆ペンで枝を書いていったのですか、この描き方がまた面白いですね!一人一人全く違う枝の伸ばし方をしており、その不規則な伸び方がなんとも魅力的です…家に飾りたい…!どうしてもバランスと取ろうと無意識に手が動いてしまう大人には真似の出来ない線ですね。 梅の花は赤い絵の具を筆でちょんちょんと突くようにして描いていきました。和紙にほんのりにじむ風合いが綺麗ですね。乾かしたら巻物に貼り付けて完成です!

いわし いわし いわし…

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節分の時期、鬼や豆まきの絵と工作はおそらく保育・幼稚園で描くであろうと踏んで、今回アトリエでは柊イワシを制作しました。柊イワシとは、焼いたイワシの頭を、柊や大豆の枝に刺した飾りで、魔除けとして玄関に置くのだそうです。イワシの匂い・柊の葉っぱのトゲトゲ・大豆の音を鬼が嫌うようで、なかなかインパクトのある見た目をしています。幼児クラスでは、焼いたイワシの頭を粘土で成形し、本物の柊と大豆の枝に刺して作ります。焼いたイワシに見せるため、まずは青やグレーで焼く前の姿を作り、そこから茶色やオレンジ、黒といった焦げ色を乗せて焼いていきました。テーブルには本物の焼いたイワシを置いていたので、イワシ独特の匂いが広がりました笑 こんなに臭いなら、鬼が嫌うのも納得! その後の10分お絵描きではイワシの絵を描きました。魚は青だけではなく、グレーや緑、時には反射でピンクも見えたりして面白いですね。なんの魚か忘れないように、いわしの名前もめもしています。 柊イワシを飾って魔もコロナも寄せ付けないようにしましょう!